「オランダ人のアイデンティティ」に関する、興味深い調査結果が発表されました。

input

Denkend aan Nederland
https://www.scp.nl/Publicaties/Alle_publicaties/Publicaties_2019/Denkend_aan_Nederland

オランダの「社会文化計画局」(SCP)が、オランダ人を対象に行った調査結果をまとめた内容で、私もとても興味を抱いています。
けれど全編オランダ語でボリュームも大きいので、ずるしてSCPがまとめてくれたサムネイルから内容をかいつまんでみたいと思います。

Ondanks scherpe tegenstellingen in het publieke debat zijn Nederlanders eensgezind over wat Nederland tot Nederland maakt
(ニュースリリース)

上のニュースリリースによりますと、「オランダ人であるというアイデンティティ」が明確にあるのは全体の41%。
「時々感じる」のが42%。
「絶対に無い」が6%なのだそう。

そして、人々が「典型的にオランダ的」で「他者との連帯を感じるもの」は、以下のような内容。

・オランダ語
・王の日(王様の誕生日のお祝い)
・戦没者追悼記念日(5月4日)
・解放記念日(5月5日)
・大晦日に食べるoliebollen
・オランダの国旗
・オランダの曇り空
・干拓地
・水との闘い

・自由

などなど。

ちなみに、oliebollenはオランダのドーナツです。
IMG_20151231_152558611

これの左の丸いやつ。
私もかつてこのブログで解説しているので、こちらをご参照ください。

そして宗教に対する信仰は、オランダ人のアイデンティティとは結び付かないそうです。
面白いことに、この結果は性別、年齢、学歴、出身地に関係なく似たような結果になったのだとか。

そして記事を読むと、オランダ人は自国を

「アングロサクソン諸国を反映し、ドイツ語圏のヨーロッパでルーツを持つことが好きな最南端のスカンジナビアの国」

ととらえているようです。
ちょっとよく分かりませんが、「イギリス文化に似ていて、ドイツ圏に属するけど北欧的でもある」ということでしょうか。
まあ、近隣国の良いとこどりをしているということかもしれません。

また、アイデンティティの項目でも挙がった「自由」は両極端な意見が存在する自由でもあるので、社会的緊張感と表裏一体でもあります。
国歌斉唱問題、オランダのEU離脱問題、(人種差別的と言われる)ズワルト・ピートの問題など、その意見の対立が社会的脅威になるという考え方もあるそうです。
簡単に乗り越えられる問題ではないですが、自由を失わないためにも、納得できる落としどころを探っていって欲しいと思います。
そして私も、末永く「自由の国オランダ」で暮らしていきたいものです。

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